「勉強中に音楽ってアリ?」中高生の6割がやってる“ながら勉強”の真実

こんにちは、ラパン学習塾のゆうきです。

先日、子供からこんな質問をされました。

「先生、家で勉強しているときに音楽を聴きながらやるのはアリですか?」

いい質問ですね。同じことを思っている人、または

「うちの子もずっと音楽を聴いているんです。だから呼びかけても反応しないのよ!」

なんて共感できる親御様もいらっしゃるのではないでしょうか。

電車内でも、がんばって英単語などの勉強をしている子をよく見かけますが

ほとんどの子が、イヤホンかヘッドホンをしていますよね。

さて、音楽を聴きながらの勉強(これいこう聴きながら勉強と言います)は、果たして効果的なのでしょうか。

まずは一般的に考えられること、その後に私の考えをお話したいと思います。

子供たちの実態

実際に音楽を聴きながら勉強している子供はどのくらいいるのでしょうか。

少しデータが古いですが、ベネッセが2014年に実施した調査によると、

中学生の53.3%、高校生の69.2%が「音楽を聴きながら勉強している。」と答えたそうです。

つまり「聴きながら勉強」は、中高生にとって一般的であると言えそうです。
スマホや音楽プレーヤーがより普及された現代ならなおさらですね。

「聴きながら勉強」のメリット

1.気分が高まるから

なぜ音楽を聴きながら勉強するのか。という質問に対し、中高生は「テンションが上がるからです。」「やる気が出るからです。」と答えます。

確かに好きなアーティストの歌は気分が最高に上がります。

スポーツ選手なんかも、試合前は音楽を聴いてゾーンに入ることをルーティン化している選手もたくさんいますね。

2.周りの雑音を遮断できる。

周囲の雑音を、耳に栓をすることによって物理的に遮ることができます。

家で勉強する場合はテレビの音(消しといてほしいですがね…)

外で勉強するときは他人の話し声など、集中を阻害されそうな要因を排除できるのはうれしい点ですね。

「聴きながら勉強」のデメリット

一方で、デメリットには次のようなことが考えられます。

1.学習内容が頭に入らない

耳元で大音量で音が流れていると、問題や思考に集中できなくなります。

特に歌詞付きの曲を聴いていると、格段に気を取られやすくなってしまいます。

2.脳の処理が遅れる

「問題文を読む」「記憶する」「思考する」「思い出す」など、ただでさえ脳をフルに動かして考えている状態なのに、そこに「音楽を聴く」という負荷をかけることで、より「マルチタスク状態」になってしまいます。

特に記憶の定着の効率が大幅に落ちる可能性が大きく上がります。

私ならこう答えます

上記を振り返りと、「デメリットが大きすぎる!」と感じ、絶対に聴かない方が良さそうな気がしてきます。

結論から申し上げますと、「人」と「使い方次第」だと思います。

一概に「音楽聴いていいよ!」「ダメだよ!」とは言いません。

ただ、一般的な中高生は、あまりにもその「人」と「使い方」を知らないので、もったいないぁといつも感じています。

・人

まず「人」についてですが、これは「国語が好きなAさん」「算数が苦手なBさん」といった個人の性格や能力の話ではなくて

その人がやっている学習内容と学習状況によるというものです。

たとえば、数学の計算練習や、英語の文法問題など、スポーツでいう基礎練習にあたるものなら、音楽を聴きながらやることは効果的です。(ただし、音楽の種類については後述)

反対に、少しチャレンジしたり考えたりしなければいけない、文章題・長文読解などは聴かない方が良いです。

これはぜひ自分の体で実験してみてください。

同じような少し難しい問題を、音楽を聴きながら解いた場合とそうでない場合で、定着するかどうかを試してみてください。

もちろん解きなおしまで含めてですよ。

・使い方

使い方については2点。

まずは、「気持ちの切り替え」の際にとっても有効です。

「よし、ここからやるぜ!」っていう気持ちをつくるときに、好きな曲を1曲聴き入る。

または合間の休憩時間に1曲聴く。

これはどんな曲でも歌詞がついていようと構いません。

スポーツ選手のゾーンと同じ理屈です。

そしてもう1つ。

もう察しが良い方は気付いているかもしれませんが、

勉強中に歌詞付きの歌を聴くことは私は推奨しません。

これは科学的にも証明されています。

ウェールズ大学の実験

ウェールズ大学の研究では、参加者を以下の3つのグループに分けて認知テストを実施しました。
自分の好きな音楽を聴きながらテストを受けたグループ​
自分の嫌いな音楽を聴きながらテストを受けたグループ​
音がない状態でテストを受けたグループ​


その結果、音楽を聴きながらテストを受けたグループは、成績が約50%も下がってしまいました。​音がない状態でテストを受けたグループが最も高い成績を収めたことから、音楽を聴きながらの作業は脳の処理能力を低下させる可能性があるとされています。 ​

やはり「脳の処理」に影響があることは間違いなさそうです。

一方で、そもそも何のために勉強しているのかを考えると、テストや入試、つまり学んだことを発揮する場がゴールにあるはずですよね。

そこは基本的には静かですが、全くの無音ということはありません。

人数が多ければ常に鉛筆やペンの音が聞こえるでしょうし、

もしかしたら隣の人が、ものすごい貧乏ゆすりをしていたり、なんか小さい声でぶつぶつ言っているかもしれません。

最大のパフォーマンスをするためには、このようなノイズがあってもいつもどおり集中できる必要があります。

なので、ある程度のノイズがある、図書館やカフェ、あるいは歌詞などついていないクラシックや環境音を聴きながらやることは、効果があります。

これが、「人」と「使い方」によるということです。

保護者様へ

もしお子様に「音楽聴きながらやってもいい?」と聞かれたり、

あるいは音楽を聴きながら勉強している姿を見かけたりしたら、

上記のようなことを理解したうえでお子様と話してみてください。

必ずしも迎合したり、「ダメにきまってるでしょ!!」と禁止することはないと思います。

音楽を完全に否定する必要はありませんが、使い方にルールを決めるのが大切です。

ねらいを明確にして勉強内容ごとに“音楽あり”と“音楽なし”を使い分けてみましょう。

そして将来的には“雑音の中で集中できる力”を目指しましょう!

まとめ

今回は音楽を聴きながら勉強することについてお話しました。

「人」と「使い方」をふまえて、自分の力が最大限高まるように

使う使わないを工夫してほしいと思います。

当塾では、このような勉強に関する悩みを、保護者の皆様といっしょに考え共有していきます。

お子様の将来のために、最適な環境を共に創り上げていきたいと考えています。

ラパン学習塾 塾長 ゆうき

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